2026/09/19 00:07

接着剤でくっついたパーツに、後から糸を通す。それは縫い合わせているのか、それとも飾っているだけなのか。

現在のレザークラフトの教科書的なやり方は、革を切る、接着剤で貼り合わせる、穴を開ける、縫うという流れになります。
この順番には合理性があります。接着剤で先に固定してしまえば位置決めが安定し、精度が出やすく、工程としても速い。
強度も接着剤自身が担ってくれるので、大量生産にも向いています。

ただ、この順番だと強度をすでに接着剤が担ってしまっていて、後の縫いは補強か装飾でしかなくなる。そう感じた時から、どうも縫う楽しさがなくなりました。

だから私は、接着剤で貼り合わせる工程をまるっと省き、どこに穴位置を持ってくるかを設計段階で全て決めるという作り方に変えました。

速さと大量生産のしやすさは手放しますが、精度は手放していません。穴位置をあらかじめ決め、そこを精度よく開けていけば、接着剤なしでも十分な精度は出せます。本気で貼り合わせがうまい人には負けるかもしれませんが。

そのかわりに糸だけでパーツとパーツを繋げる。強度も接合も、縫いがすべて担う。

このやり方には副産物もあります。革と革の間に接着剤の層が存在しないので、経年劣化の要因が一つ減ります。そして縫い糸をほどけば分解できるので、修理や部分的な革の交換も可能になります。

でも一番の理由は、やっぱり「縫い合わせる」という行為そのものが持つ意味を、ちゃんと縫いに担わせたかったということです。